最頻値の求め方を完全解説!度数分布表の罠や平均値との違い【2026年最新】
データ分析や日々の業務報告、あるいは学校の数学テストで頻出する「最頻値(モード)」。平均値や中央値と並ぶ主要な「代表値」の1つですが、データの並び方や度数分布表の形式によって「どれを答えにすればよいのか迷った」という経験を持つ方は少なくありません。
特に度数分布表における階級値の扱い方や、最大度数が複数存在する場合の例外ルール、Excelでの関数選びは、現場でもミスが起きやすいポイントです。本稿では、統計の基礎概念から実務・学習で即役立つ計算手順、3大代表値の使い分けまでを分かりやすく整理してお伝えします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:最頻値(モード)は「データ内で最も多く出現する値」であり、生データならそのままカウント、度数分布表なら「最も度数が高い階級の階級値」を取る。
- 要点2:平均値と違って「極端な外れ値」に引きずられない強みがある一方、全体傾向を1つの数値だけで捉えきれない弱点も併せ持つ。
- 要点3:データ内に同数トップが複数ある場合は「すべて」が最頻値となり、全データが1回ずつしか出ない場合は「最頻値なし」と処理するのが鉄則。
【基礎から即マスター】最頻値(モード)の求め方と基本ルール
統計学における最頻値は、英語で「Mode(モード)」と呼ばれ、文字通りデータ群の中で最も頻繁に登場する値を指します。中学数学の新学習指導要領でも代表値の重要項目として位置づけられており、データサイエンスの基礎知識としても欠かせない概念です。
まずは最もシンプルな「生の数値データ」が並んでいる場合の求め方を確認します。
【例題1:テストの点数データ】
「70, 85, 60, 85, 90, 75, 85, 60」という8人の点数があるとします。
数値を整理してそれぞれの出現回数をカウントすると、次のようになります。
- 60点:2人
- 70点:1人
- 75点:1人
- 85点:3人
- 90点:1人
この中で最も多く現れている数値は「85点(3回)」であるため、このデータの最頻値は85点となります。足し算や割り算といった複雑な計算を一切必要とせず、出現頻度を数えるだけで一目で導き出せる点が、最頻値の直感的な特徴です。

【度数分布表・ヒストグラム】階級値を使った最頻値の計算手順
学校の試験問題や公的統計のレポートでは、数値がそのまま並んでいるのではなく、一定の区間ごとに区切られた「度数分布表」や「ヒストグラム」で提示されるケースが多く見られます。ここで多くの方がつまずきやすいのが、「度数分布表における最頻値の答え方」です。
度数分布表から最頻値を求める際は、「最も度数(人数や個数)が大きい階級」を見つけ、その階級の「階級値(中央の値)」を算出するという決まったステップを踏みます。
階級値は、以下の公式で簡単に計算できます。
階級値 =(階級の下限値 + 階級の上限値)÷ 2
例えば、「20kg以上〜30kg未満」の階級であれば、(20 + 30)÷ 2 = 25kg が階級値です。
【例題2:握力測定の度数分布表】
- 10kg以上〜20kg未満:3人
- 20kg以上〜30kg未満:7人
- 30kg以上〜40kg未満:15人(最大度数)
- 40kg以上〜50kg未満:5人
この度数分布表では、度数が最も多いのは「30kg以上〜40kg未満(15人)」の階級です。したがって、最頻値はこの階級の階級値となり、計算式は(30 + 40)÷ 2 = 35kg となります。「15人」や「30kg〜40kg」と答えてしまうと不正解になるため、必ず階級値に変換して答える必要があります。
ヒストグラムの場合も同様で、縦軸の柱が最も高く伸びている階級の横軸中央値が最頻値に該当します。
【徹底比較】最頻値・中央値・平均値の決定的な違いと代表値の選び方
データを要約する指標には、最頻値のほかに「平均値(ミーン)」と「中央値(メジアン)」が存在します。これら3つを総称して「代表値」と呼びますが、それぞれ得意なデータ構造と弱点が明確に異なります。
| 代表値の種類 | 定義と算出方法 | メリット・特徴 | 主なデメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| 最頻値(Mode) | データ中で最も出現頻度が高い値 | 外れ値の影響を一切受けない。文字などの質的データにも使える | データ全体の数値変動を反映しない。複数存在する場合がある |
| 中央値(Median) | データを昇順に並べた中央の値 | 極端な外れ値に強い。「真ん中の実態」を把握しやすい | 全データを並べ替える手間がある。計算上の扱いがやや複雑 |
| 平均値(Mean) | データの総和をデータ数で割った値 | すべてのデータを計算に反映できる。数学的な解析に適している | 一部の極端な高額・高得点(外れ値)に数値が引っ張られる |
典型的な例が「日本の世帯所得データ」です。厚生労働省の各種統計調査でも話題に上る通り、一部の富裕層(年収数千万円〜数億円)が全体の数値を大きく引き上げるため、平均所得金額は「約545万円」程度と高めに出ます。しかし、実態として最も世帯数が多い階層を示す最頻値は「200万〜300万円未満」のゾーンに集中しており、中央値は「約400万円台前半」となります。
「普通の感覚」「世間のボリュームゾーン」を知りたい場面で平均値だけを見ると、実態を見誤る危険性があります。状況に応じて最頻値や中央値を適切に組み合わせることが不可欠です。

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
教育現場やSNS、Q&Aコミュニティ(Yahoo!知恵袋や大手教育フォーラム等)に寄せられる質問を分析すると、多くの学習者やビジネス実務者が「教科書通りの綺麗なデータではない場面」で混乱している様子が浮き彫りになります。
「テストの回答で最頻値が2つ出てきたが、両方書いていいのか迷って片方だけ書いて減点された」「アンケート集計でExcelを使ったら#N/Aエラーが出てパニックになった」といった声は、毎年のように投稿されています。
実務現場においても、靴のサイズやアパレル商品の売れ筋発注を行う際、「平均サイズ(例えば24.3cm)」を計算して発注することは不可能です。実際に現場で仕入れ計画を立てる仕入れ担当者は、「最も売れたサイズ=最頻値(24.5cm)」を基準に在庫を厚く配分します。このように、日常生活や商業の現場では平均値以上に最頻値がダイレクトに意思決定を左右しています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
最頻値を扱うにあたり、ネット上や初心者向け解説で誤解されやすいのが「複数ある場合」と「1つも存在しない場合」の境界線です。
1. 最多の数値が2つ以上ある場合(多峰性・マルチモーダル)
データの中で最も多い出現回数を持つ数値が複数ある場合、「そのすべてが最頻値」になります。
例:「2, 3, 3, 5, 7, 7, 9」というデータ
3が2回、7が2回現れており、いずれも最多回数です。この場合の答えは「3 と 7」(2つとも正解)です。平均して「5」にするような処理は統計上行いません。
2. すべてのデータの出現回数が同じ場合
「1, 2, 3, 4, 5」のように、すべての値が1回ずつしか登場しないデータ群の場合、最頻値は「すべて」ではなく「最頻値なし」と判定します。すべての頻度が同一である場合、どれか1つを突出したモードとして扱う意味が存在しないためです。
3. 数値以外の「質的データ」における最頻値
平均値や中央値は「数値」でなければ計算できませんが、最頻値は「好きな寿司ネタ」「顧客の居住地域」「満足度アンケートの自由回答カテゴリ」といった文字情報(質的データ・名義尺度)に対しても適用できる唯一の代表値です。アンケート集計で「サーモン」が最も票を集めたなら、その調査の最頻値は「サーモン」となります。

【実務直結】Excelでの最頻値計算|MODE関数の正しい使い方
Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートで最頻値を瞬時に算出する場合、専用のワークシート関数を使用します。バージョンの違いによる関数の使い分けに注意が必要です。
- MODE.SNGL関数(推奨):
=MODE.SNGL(範囲)
データの中から「最初に見つかった単一の最頻値」を返します。従来のMODE関数の後継であり、現在の標準関数です。 - MODE.MULT関数:
=MODE.MULT(範囲)
最頻値が複数存在する場合に、該当するすべての最頻値を縦方向の配列として一括出力(スピル)します。複数モードを見落としたくない実務分析で重宝します。 - 従来のMODE関数:
=MODE(範囲)
古いバージョンとの互換性のために残されていますが、将来的な非推奨化を見据え、新規作成時はMODE.SNGLの使用が推奨されます。
※対象データ内に重複する値が1つもない場合、Excelは#N/Aエラーを返します。これは関数の不具合ではなく「最頻値なし」を意味する正常な挙動です。
最頻値のメリット・デメリットとデータ分析現場のリアル
最頻値の特性を最大限に活かすためには、その利点と限界を客観的に把握しておく必要があります。
【主なメリット】
- 100点満点のテストの中に1人だけ「0点」や「999点(入力ミス)」が混ざっていても、最頻値の結果は揺らぎません。
- 文字データや選択式アンケート(血液型、支持政党など)の分析にもそのまま流用可能です。
【主なデメリット】
- サンプルサイズ(データ数)が少ない場合、偶然2回重なっただけの数値が最頻値になってしまい、母集団の実態を歪めてしまう危険があります。
- データ全体の数値レベルが上がったのか下がったのかといった微細な変化を検知できません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
最頻値をメインの指標として据えるべきか否かは、扱うデータの種類と分析目的によって明確に分かれます。
【最頻値の採用が向いているケース】
- アパレル・飲食など、サイズやメニューごとの「最大需要・人気トップ」をピンポイントで特定したい実務担当者
- 外れ値が多く含まれるアンケート調査や、文字データの集計結果を直感的に共有したいマーケター
- 公務員試験や資格試験、中学・高校数学の統計分野で手堅く得点を重ねたい学習者
【最頻値の単独使用に慎重になるべきケース】
- サンプル数が数十件未満と極めて少なく、偶然の一致が起きやすい小規模調査
- クラス全体の学力向上や工場の歩留まり改善など、「データ全体の底上げ・総量変化」を定量的に追跡したい管理者(この場合は平均値や標準偏差の併用が必須)
【最頻値の求め方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:度数分布表で度数が最大の階級が2つ隣り合っている場合、最頻値はどうなりますか?
A1:2つの階級が離れていても隣り合っていても、それぞれの階級の階級値を算出し、最頻値として2つの数値を並べて記述します。足して2で割って1つにまとめることはしません。
Q2:最頻値は英語で何と表記し、どのような記号で表されますか?
A2:英語では「Mode(モード)」と表記されます。統計の数式やグラフの注記では、略字として「$Mo$」や「$Mod$」という記号が使われることが一般的です。
Q3:データの中に外れ値があるとき、平均値・中央値・最頻値のどれを信用すべきですか?
A3:外れ値の影響を排除して全体の中心的な水準を見たい場合は「中央値」が最も安定しています。一方で、「最も多くの人が選んでいる値(ボリュームゾーン)」を知りたい場合は「最頻値」が最適です。平均値は外れ値に引きずられるため避けるのが賢明です。
まとめ:統計データの全体像を見抜くための実践ステップ
最頻値(モード)は、データ群の中で最も出現頻度が高い値を指し、計算の手間をかけずに直感的なボリュームゾーンを把握できる優れた指標です。生データなら最多の値をそのまま選び、度数分布表なら最大度数を持つ階級の「階級値(上限と下限の中央)」を導き出すのが基本ルールとなります。
実務や学習の場では、最頻値だけに依存するのではなく、全体の平均水準を示す「平均値」、ちょうど真ん中の順位を示す「中央値」とセットで比較する視点を持つことで、データが持つ本当の姿を正確に読み解くことができます。まずは手元のデータで出現頻度を整理し、目的に合致した代表値を使い分ける習慣を身につけていきましょう。 (出典: 最 頻 値 の 求め 方(Yahoo!ニュース))