2024年台風名前一覧と号数対照表!サンサンや星座名の由来を徹底解説
日本列島を幾度となく揺るがした2024年の台風シーズン。迷走を続けて各地に記録的な豪雨をもたらした台風10号「サンサン」をはじめ、「なぜこの名前がついたのか」「そもそも誰がどうやって決めているのか」と疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。普段のニュースでは「台風〇号」という番号呼びが定着している日本ですが、国際的には固有の「アジア名」が広く使われています。
気象庁が発表する台風情報には、番号とともに必ず情緒あふれるアジア名が添えられています。この記事では、2024年に発生した全26個の台風の名前と意味を網羅した対照表をはじめ、ユニークな命名ルールの裏側、そして日本が提案した「星座」にまつわる名前の真相までを徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2024年は年間で合計26個の台風が発生し、1号「イーウィニャ」から26号「パブーク」まで多彩なアジア名が付与された。
- 要点2:台風の名前は「台風委員会」加盟14カ国・地域が提案した140個のリストを順番に巡回させて命名しており、日本提案の名前はすべて「星座名」で統一されている。
- 要点3:記録的被害を出した台風10号「サンサン(少女の愛称)」のように甚大な災害を起こした台風名は、再発防止の祈りと記憶の継承のため永久欠番(引退名)となる仕組みが存在する。
【全26個完全網羅】2024年台風号数対照表とアジア名・意味一覧
2024年は5月下旬に1号が発生して以降、秋にかけてハイペースで発生が続き、最終的な年間台風発生数は平年並みの26個を記録しました。まずは、発生したすべての台風の号数、国際名(アジア名)、提案国、そしてその言葉が持つ意味を一覧表で振り返ります。
| 号数 | アジア名(綴り) | 提案国・地域 | 意味・由来 |
|---|---|---|---|
| 第1号 | イーウィニャ(Ewiniar) | ミクロネシア | 嵐の神 |
| 第2号 | マリス(Maliksi) | フィリピン | 速い |
| 第3号 | ケーミー(Gaemi) | 韓国 | アリ(蟻) |
| 第4号 | プラピルーン(Prapiroon) | タイ | 雨の神 |
| 第5号 | マリア(Maria) | 米国 | 女性の名前 |
| 第6号 | ソンティン(Son-Tinh) | ベトナム | ベトナム神話の山の神 |
| 第7号 | アンピル(Ampil) | カンボジア | タマリンド(植物) |
| 第8号 | ウーコン(Wukong) | 中国 | 孫悟空 |
| 第9号 | ジョンダリ(Jongdari) | 北朝鮮 | ヒバリ(鳥) |
| 第10号 | サンサン(Shanshan) | 香港 | 少女の愛称 |
| 第11号 | ヤギ(Yagi) | 日本 | やぎ座 |
| 第12号 | リーピ(Leepi) | ラオス | ラオス南部の滝の名前 |
| 第13号 | バビンカ(Bebinca) | マカオ | プリンの一種(菓子) |
| 第14号 | プラサン(Pulasan) | マレーシア | 果物の名前(ランブータン似) |
| 第15号 | スーリック(Soulik) | ミクロネシア | 伝統的な首長・族長 |
| 第16号 | シマロン(Cimaron) | フィリピン | 野生の牛 |
| 第17号 | チェービー(Jebi) | 韓国 | ツバメ(燕) |
| 第18号 | クラトーン(Krathon) | タイ | サントール(熱帯果実) |
| 第19号 | バリジャット(Barijat) | 米国 | 波のうねりを越える(マーシャル語) |
| 第20号 | トラジー(Trami) | ベトナム | 庭木の名前 |
| 第21号 | コンレイ(Kong-rey) | カンボジア | 伝説の美しい少女の名前 |
| 第22号 | インシン(Yinxing) | 中国 | イチョウ(白果) |
| 第23号 | トラジ(Toraji) | 北朝鮮 | キキョウ(花) |
| 第24号 | マンニィ(Man-yi) | 香港 | 海峡の名前(万宜貯水池) |
| 第25号 | ウサギ(Usagi) | 日本 | うさぎ座 |
| 第26号 | パブーク(Pabuk) | ラオス | 大きな淡水魚 |
なぜ「サンサン」や「バビンカ」?台風名前のユニークな意味と由来
ニュース速報で耳にした際、「ずいぶん可愛らしい名前だな」と感じた方も少なくないはずです。気象災害の脅威とは裏腹に、台風の名前には動植物や食べ物、人々の身近な愛称などが数多く採用されています。
列島各地で暴風雨を引き起こした台風10号「サンサン(Shanshan)」は、香港が提案した名前で「少女の愛称」を意味します。香港では親しみを込めて同じ音を重ねる呼び名が多く、響きの優しさから名付けられました。しかし現実には、非常に強い勢力で九州へ上陸したのち列島を縦断、その歩みの遅さから各地に甚大な雨被害をもたらすという凶暴な爪痕を残しました。
また、第13号の「バビンカ(Bebinca)」はマカオ提案で、ココナッツミルクを使った伝統的な焼きプリン風のお菓子を指します。第8号の「ウーコン(Wukong)」は西遊記の孫悟空、第7号の「アンピル(Ampil)」は酸味のある果実タマリンドです。このように、提案国の生活文化や自然環境が色濃く反映された言葉が選ばれるため、台風の名称は国際色豊かなラインナップになっています。
台風命名ルールの仕組みとは?台風委員会が管理するアジア名140個の順番
そもそも台風の名前は、思いつきで毎回新しく名付けられているわけではありません。あらかじめ決められた厳格な命名プロセスが存在します。
北西太平洋または南シナ海で発生する台風には、世界気象機関(WMO)と国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が共同で設立した国際組織「台風委員会」が制定した合計140個の名前が順番に割り振られます。加盟しているのは、日本、カンボジア、中国、北朝鮮、香港、ラオス、マカオ、マレーシア、ミクロネシア、フィリピン、韓国、タイ、米国、ベトナムの14カ国・地域です。
仕組みは至って合理的です。各加盟国・地域が10個ずつ名前を持ち寄り、計140個のリストを作成。台風が1個発生するごとに順番に名前を割り当てていき、140番目まで到達したら再び1番目に戻るローテーション方式を採用しています。年間でおよそ25個前後の台風が発生するため、およそ5〜6年周期で同じ名前が再登場する計算です。
西欧諸国でハリケーンに「カトリーナ」など人名をアルファベット順につけていた慣習に対し、アジア地域でも共通の認識を持ちやすくし、防災意識を高める目的で2000年から現行の制度がスタートしました。
なぜ日本提案名はすべて星座なのか?日本提案星座名一覧とその選定理由
台風委員会のリストを眺めると、日本が提案した名前には際立った共通点があることに気付きます。日本提案の10個の名前は、例外なくすべて「星座」に由来しています。
日本が提案した現行のアジア名10種類は以下の通りです。
- コイヌ(Koinu):こいぬ座
- ヤギ(Yagi):やぎ座(2024年台風11号)
- ウサギ(Usagi):うさぎ座(2024年台風25号)
- カジキ(Kajiki):かじき座
- カンムリ(Kammuri):かんむり座
- クジラ(Kujira):くじら座
- コップ(Koppu):コップ座
- コンパス(Kompasu):コンパス座
- トカゲ(Tokage):とかげ座
- ヤマネコ(Yamaneko):やまねこ座
なぜ頑なに星座名を選び続けているのでしょうか。気象庁が明かす理由は主に3点あります。第一に、特定の人名や企業名、実在の地名を使わないことで「利害関係や差別的なニュアンスを完全に排除できる」点。第二に、星座名は世界共通の概念であり、広く親しまれている点。そして第三に、文字数が少なく簡潔で、呼び間違いを防ぎやすいという通信上の実用性です。
なお、過去に提案されていた「ワシ(わし座)」や「テンビン(てんびん座)」などは後述する理由によって引退し、現在の星座名へと差し替えられた経緯があります。
甚大な被害で消える「台風引退名」の理由と2024年台風の歴史的爪痕
140個の名前は基本的にサイクルし続けますが、未来永劫使われるわけではありません。ここには「引退」と呼ばれる重要な国際ルールが存在します。
台風委員会では、壊滅的な人的・物的被害をもたらした台風のアジア名を、被災国の要請によってリストから永久に除外できる規定を設けています。悲惨な大災害の記憶を風化させず後世に伝えるとともに、将来再び同じ名前の台風が発生した際に被災者のトラウマを呼び起こしたり、過去の災害記録との混同を防いだりするためです。
日本関連では、2019年に東日本各地を襲った台風19号「ハギビス(フィリピン提案:素早い)」が記録的豪雨をもたらし、甚大な浸水被害を出したことで引退が決定、リストから姿を消しました。
2024年シーズンにおいて世界的な注目を集めたのが台風11号「ヤギ(Yagi)」です。スーパータイフーンへと発達したヤギはフィリピン、中国海南島、そしてベトナム北部を直撃し、土砂崩れや大規模洪水により多数の尊い命を奪いました。国際社会に大きな衝撃を与えたこの名称も、歴史的な爪痕を残した台風として引退手続きの対象となり、歴代の激甚台風アーカイブへとその名を刻むことになりました。
【台風の名前一覧(2024年)】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本のニュースではなぜ「サンサン」ではなく「台風10号」と呼ぶことが多いのですか?
A1:気象庁では台風情報を正確かつ迅速に国民へ伝えるため、発生順を示す数字(号数)を主たる呼称として運用しています。アジア名は親しみやすい反面、年度をまたぐと重複したり順番が直感的に把握しにくかったりするため、国内報道では「台風第10号」という番号呼称が優先されます。
Q2:台風の名前は途中で変わることはありますか?
A2:一度発生した台風の名前が勢力の変化等で途中で変わることは原則ありません。ただし、日付変更線を越えて太平洋東部(ハリケーンの監視区域)から入ってきた越境台風の場合、もともと付けられていた米国由来のハリケーン名がそのまま維持されるため、アジア名リスト外の名称が使われるケースがあります。
Q3:日本提案の星座名に「オリオン」や「カシオペア」など有名な星座がないのはなぜですか?
A3:台風委員会の命名規則として「アルファベットで9文字以内」「発音しやすいこと」といった基準が設けられています。また、特定の文化圏で強烈な神話的意味を持つものや、長すぎる名前は避けられ、短く発音しやすい小規模な星座を中心に選定されているのが実情です。
まとめ:台風の名前を知ることで見えてくる防災の新たな視点
2024年に発生した26個の台風は、気候変動が進む近年の気象リスクの高さを如実に物語るものでした。ユニークな響きを持つアジア名や、夜空を見上げたくなるような星座の名前の背後には、アジア各国の文化と防災への強い連帯が込められています。
普段は何気なく聞き流してしまいがちな「サンサン」や「ヤギ」といった固有名称ですが、その背景にある命名ルールや引退の歴史を知ることは、過去の教訓を思い起こし、日頃の備えを見つめ直す重要な契機となります。気象情報に触れる際は、番号だけでなくぜひその名前にも目を向け、防災意識の向上へとつなげてください。 (出典: 台風 名前一覧 2024(Yahoo!ニュース))