ネットを騒がせた「例のプール」の正体とは?聖地の歴史と現在の真実
透明な水面、奥に広がるガラス張りのサンルーム、そして印象的なフローリングのステップ。インターネットや映像カルチャーに少しでも触れたことがある人なら、名前を聞いた瞬間にあの光景が脳裏に浮かぶはずです。ネットスラングとして定着した「例のプール」は、SNSや掲示板の枠を飛び越え、世界的な知名度を誇るネットミームへと成長しました。
一体なぜ、雑居ビルの一角にあるプール付きスタジオがこれほどまでに人々の心を掴み、語り継がれる存在となったのでしょうか。本稿では、スタジオの正式名称や新宿のロケーション、レンタル料金やメディア展開の歴史、そして気になる現在の営業状況と利用可否の真相まで、徹底的に調査した事実をもとに紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「例のプール」の正体は、東京都新宿区に実在したハウススタジオ「No.136 Hanazono Room(ピーススタジオ 花園ルーム)」。
- 要点2:AVの定番ロケ地から火がつき、『仮面ライダー』『世にも奇妙な物語』や数々のアニメに登場したことで国民的認知を獲得。
- 要点3:スタジオとしての営業は2020年に終了(閉鎖)しており、2026年現在、一般の予約や内部見学は不可となっている。
【正体と歴史】「例のプール」の元ネタとは?ネットミーム化の軌跡
「例のプール」という通称で親しまれている施設の正式名称は、かつて株式会社ピースリーが運営していたレンタルハウススタジオ「No.136 Hanazono Room(通称:ピーススタジオ 花園ルーム)」です。マンションの最上階に作られた豪華なペントハウスで、屋内温水プールと開放感あふれるサンルームを備えた唯一無二の空間設計が特徴でした。
その元ネタと歴史は2000年代初頭にさかのぼります。もともとはCM撮影やファッション誌のスチール撮影、アーティストのミュージックビデオ用として貸し出されていましたが、利便性の高さと特徴的なビジュアルから成人向けビデオ(AV)の撮影ロケ地として頻繁に起用されるようになりました。パッケージやサンプル動画を見るたびに「またあのプールか」と気づいたネットユーザーたちが、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)などの掲示板で話題にし始めたことが、すべての発端です。
誰が言い出すともなく「例のプール」と呼ばれるようになり、プールそのものの画像やアスキーアート(AA)を貼るだけで文脈が成立する一大ネットミームへと昇華しました。その影響力は日本国内にとどまらず、海外のネットコミュニティでも「That Pool」の名で広く知れ渡り、日本のポップカルチャーの奇妙なアイコンとして定着していったのです。
【なぜ有名に?】特撮・ドラマからアニメまで!驚きのメディア登場作品
「例のプール」が単なるサブカルチャーの枠を超えて広く知られるようになったなぜ有名になったかの理由は、一般向けメディアへの露出の多さにあります。実はこのスタジオ、誰もが知るメジャーなドラマ、特撮番組、アニメ作品のロケ地・モデルとして幾度となく起用されてきました。
代表的な登場作品として知られるのが、特撮ドラマ『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)です。作中のスイミングスクール施設としてこのプールが登場した際、日曜の朝からSNS上が騒然となり、「ニチアサに例のプールが出た!」とトレンドを席巻しました。さらに、フジテレビ系列のオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』や各種バラエティ番組、人気アーティストのPVなど、地上波放送のメジャーコンテンツにも頻繁に姿を現しています。
アニメ界隈におけるパロディやオマージュも枚挙にいとまがありません。『咲-Saki- 阿知賀編』や『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』、『アキバ冥途戦争』など、数々の作品で特徴的な採光窓やプールサイドのレイアウトが再現され、視聴者をニヤリとさせました。さらには、模型メーカーから「例のプール」を模したジオラマやプラモデルが企画・販売されるなど、空間そのものが独立したコンテンツとして消費される社会現象を巻き起こしました。
【場所とアクセス】スタジオの正確な住所と新宿のロケーション
多くの人々を惹きつけてやまない「例のプール」ですが、その立地は東京のド真ん中に位置していました。正確な場所と住所は、東京都新宿区新宿1-19-10に建つマンション「サンハイツ大新宿」の最上階(10階)です。
最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の「新宿御苑前駅」で、大木戸門口方面から徒歩約3分から5分という抜群のアクセスを誇っていました。靖国通りと新宿通りに挟まれた閑静なエリアにあり、一見するとごく一般的なビンテージマンションです。外観からは最上階にプール付きの広大なスタジオが隠されているとは想像もつかず、そのギャップもまたファンの好奇心を刺激する要因となりました。
都心部の主要ターミナルである新宿駅からタクシーで数分という好立地は、機材の搬入や出演者の移動がスムーズに行えるため、撮影スタッフにとっても極めて使い勝手の良いロケーションだったといえます。
【レンタル料金と利用方法】かつての予約システムと撮影会の実態
スタジオとして現役稼働していた時代、「例のプール」はプロの制作会社だけでなく、個人でも一般予約とレンタル利用が可能でした。ピーススタジオの公式ウェブサイトから空き状況を確認し、予約フォームや電話で申し込むシンプルな利用方法が採用されていました。
気になるレンタル料金は、利用用途や時間帯によって以下のように設定されていました(営業当時の標準価格帯)。
- スチール撮影(写真):1時間あたり 約15,000円〜18,000円(税抜)
- ムービー撮影(動画):1時間あたり 約20,000円〜25,000円(税抜)
- 最低利用時間:3時間〜4時間以上からの受付
- 深夜・早朝パック:定額パック料金プランの設定あり
高級ペントハウススタジオとしては比較的リーズナブルな価格設定だったことから、コスプレ愛好家によるコスプレ撮影会やオフ会イベント、同人誌の撮影場所としても頻繁に活用されました。「友人と割り勘で貸し切って聖地巡礼した」「プールサイドで撮影を楽しんだ」といった口コミや体験談がネット上には数多く残されており、一般のファンにとっても手の届く夢のロケ地だったのです。
【現在と閉鎖の真相】スタジオ営業終了の経緯と2026年現在の利用可否
インターネット上で確固たる地位を築いた「例のプール」ですが、スタジオとしての営業は2020年をもって終了(閉鎖)しています。運営会社であったピーススタジオの撤退に伴い、予約受付も完全に停止しました。
閉鎖の理由については、建物の老朽化やスタジオ運営の事業方針転換など複数の要因が挙げられていますが、撤退のニュースが報じられた際にはSNS上で「一つの時代が終わった」「青春のロケ地が消えてしまった」と惜しむ声が溢れ返りました。
2026年現在における利用可否ですが、現地はすでにスタジオとしての一般公開・貸出を行っておらず、内部の見学や個人・法人を問わず予約利用は一切不可能となっています。建物自体はマンションとして存在しているため、無断での立ち入りや住人の迷惑となる行為は厳に慎むべき状況です。かつての熱狂は、今や映像アーカイブやネットカルチャーの歴史の中に大切に保存されています。
【例のプール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:一般人が現在、見学や写真撮影のために中に入ることはできますか?
A1:できません。2020年のスタジオ営業終了に伴い、現在は一般向けの貸し出しや見学ツアー等は一切行われていません。居住用マンションでもあるため、無関係な敷地内への立ち入りは禁止されています。
Q2:なぜこれほど多くの映画や特撮、ドラマのロケ地に選ばれたのですか?
A2:新宿区内というアクセスの良さに加え、マンション最上階ならではの自然光が入るガラス張り天井、天候に左右されない屋内温水プールという希少な設備を低コストで利用できたため、映像制作の現場で重宝されました。
Q3:海外でも「例のプール」が有名というのは本当ですか?
A3:本当です。日本のポップカルチャーやアニメ、ネット動画を通じて海外のネットユーザーにも認知され、英語圏では「That Pool」という共通認識のミームとして広く浸透しています。
まとめ:ネット文化が生んだ伝説のロケーションとその遺産
新宿の片隅に存在したスタジオ「No.136 Hanazono Room」は、撮影ロケ地という本来の役割を超え、インターネットの集合知とユーモアによって「例のプール」という不滅のポップアイコンになりました。
リアルなスタジオとしての営業が終了した今もなお、様々な創作物の中でのオマージュやネットミームとしてその姿を見かけない日はありません。人々の記憶とネットカルチャーの歴史に深く刻まれたこの伝説のプールは、これからもデジタル空間の中で愛され続けていくはずです。 (出典: 例 の プール(Yahoo!ニュース))